第13回感性認知ビジネス実践部会を開催

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日本感性工学会

第13回感性認知ビジネス実践部会 議事録

日 時:2009年 6月 8日

15:30~18:00

場 所:品川(株)ヴィデェオール・キャリア 東京本社  レンタル会議室

出席者:部会員70名中 16名

1.平成20年度 会計報告

(会計監査)柴山明輝さん

1)総資産1,813,796円

2)経常収入の部 1,305,000円

年会費収入913,000円、会議費収入 218,000円(部会や懇親会参加者から)、活動費収入 174,000円(感性工学会より87名分)

3)経常支出の部 800,124円

会議費398,629円(懇親会費・部会の会場費)、旅費交通費1,520円(事務局スタッフの移動費)、通信費5,630円、賃借料15,750円(プロジェクターなど)、租税公課595円(利子)、事務局費378,000円(事務局員2名、31,500円×12ヶ月)

4)経常収支差額 507,852円

5)前期繰越収支差額 1,305,944円

6)次期繰越収支差額 1,813,796円

7)補足:昨年度23名の会員減少に伴い、減収が見込まれる

8)監査報告






2.ビジネス現場と研究とのコラボレーションについて


1)有限会社 共和堂米澤晋也さんの提案

  • リソース:・新聞販売業として5,000世帯以上の顧客を抱え、チラシなどを配布し、反響を計測することが可能。
  • 辰野町7,000世帯の全世帯にポスティングが可能
  • ・アンケート採取も可能
  • 興味  :・表現の異なるチラシを一斉に配布し、反応率の違いを学術的に究明したい。 形式の違いで反応率が異なる理由は何か(チラシ型よりDM型の方が反応が良い、等)
  • 反応率よりも人がどう感じたか、脳がどう動いているのか、等を知りたい
  • 部会長 :・ビジネス現場のニーズと研究サイドのニーズの合致があると当部会の存在価値が高まる。但し、リソース提供側にニーズがあることが大切。
  • ・(共和堂のこの研究テーマに関しては)バイアスは関係性が出来ていること。
  • ・状況依存的な現場計測データ(実売)と正確な実験手続きを踏んだ計測データ(脳波など)との比較が大切

2)竹ノ内剛さんの提案

  • リソース:・東京都江戸川区で家具店を経営しているが事業の中心ではないので、場所として研究実験の場として提供できる。
  • ・商店街メインストリートではないが一定の人が通行している
  • 部会長 :・収集し得るデータとしてネガティブデータ(あえて売れないケースも設定し、計測する)があるとなおよい。しかし、売れない時期を設けないといけない
  • リスクが伴う。経営者としては最高のパフォーマンスを求めるので矛盾する。
  • ・商売度外視の研究場所として使えるのは貴重
  • ・メーカーは店頭の実売データをなかなか収集できないので、こういう研究の場はありがたい

3)嶋田正邦さんの提案

  • リソース:・検査病院に関係しておりPET/CTやMRI等を提供できる可能性がある
  • 部会長 :・脳科学の研究ではPETも使われている
  • ・価格やスケジュールで相談しやすいと都合が良い。
  • ・この手のデータは、どこで計測したか、誰が解析したかが大切で、そういう意味でのブランドもある

4)桑野一哉さんの提案

  • リソース:・研究に協力できるビジネス現場の情報を部会のサイトで提供してはどうか
  • 部会長 :・ビジネス現場を実験に提供するにはいろいろなリスクも伴うので、提供する側にもニーズやベネフィットが必要。
  • ・部会としては実施すべきか検討事項

5)射場一之さんの提案

  • リソース:・自社主催のタジキスタン音楽のピアノコンサート@高槻現代劇場8/28(金)のコンサート会場で何らかの実験を行うことが可能 700名弱の集客
  • 部会長 :・国立音大で修士、工学院大学で博士号を取られた方で、メロディが人の感性にどう影響を及ぼすかを研究している方がいる。純粋にメロディだけでどう感情に影響を及ぼすかを工学的にデータとって証明している。・感性研究としてはいろいろなフィールドの活用が考えられる。
  • 立川さん:・五線譜に乗らない音で作ったアンビアント系の音楽は人間の別の部分を刺激すると言う。「ディープフォレスト」とか聴くと妙な気分になる。
  • 部会長 :・音が感性をどのように刺激しているかも感性工学の研究領域。
  • ・音楽に関心のある研究者も、作曲できない、演奏できない、などハードルが高いので、研究者にとっては貴重な研究の場

6)シルク石井康友さんの提案

  • リソース:・「森で映画」を7/25(土)に主催( 檜原村の森の中で、武田鉄矢主演「降りていく生き方」上映)
  • ・イベント主旨「子どもの感性を育む」
  • 興味  :・映画を見る前後で子どもの感性がどう変化するかを知りたいので、アンケートとしてデータ収集できないか。来年の上映会への反映、スポンサーへの説明資料になる。
  • 部会長 :・子どもが映画を見た前後でどう変化したかを知りたい研究者からすればまたとない機会。心理学の手法による心理計測も可能。

7)株式会社サンディ立川亜美さんの提案

  • リソース:・舞台「飛行機雲」主催
  • 興味  :・出演者の公演前後の感性の変化
  • 部会長 :・研究者にとっては計測しようにも出来ないシチューエーションなのでまたとない機会





3.大会に向けて

  • (部会長)・幹事内諾のもと、部会として企画セッションに申し込み済み
  • ・例年は主にビジネス現場からの、感性を軸にしたビジネスの実践結果を発表してきた。今年の大会テーマは「感性インテリジェンス」なので「ビジネス現場と研究との有意義なジョイント」を問題提起する場にし、会場からも意見をもらいたい。
  • ・2事例くらいの報告とパネルディスカッション、パネラーには感性計測の研究者の上条正義先生(信州大学)らに打診済み。→部会参加者賛成
  • ・石井さんに正木さんとの共同研究を石井さんサイドから語って欲しい。研究サイドからの依頼に対し、ビジネスサイドとしてはどんな課題があったか、どんな配慮があったかを語って欲しい。
  • ・上条先生は長野で感性産業研究会を主催し、地元企業に研究参加を依頼したが断られたというう経験があるので、ビジネスサイドが参加できる目論みや狙いが分かると意義がある。
  • ・発表者をさらに1名募集 ・・・ 田中副部会長に打診
  • (石井さん)・どう言う目論見があって、アンケート回収にどう言う工夫をしたかなどを話せる。書体について、DM梱包物の入れ方、正木さんが挨拶状用に描いてきた自画像(暗い顔)に合わせてキャッチコピーを「困っています」に変更した件など。
  • (部会長)・感性工学の研究ジャンルにも「研究方法の研究」と言うジャンルがあり、石井さんのこのケースはそれに該当する。感性マーケティングに精通しているからこそ考えられること。
  • ・石井さんの実売の発表に関心をもった研究者が参考となる意見を聞きに来るかもしれない。皆さんのレベルでポロポロっと言う仮説が研究者には刺激になり、有意義な接点となる。
  • (副部会長)・研究の母数はどのくらい必要なのか?
  • (部会長)・皆さんからすると奇異かも知れないが、科学の世界ではあまり母数は問われない。
  • 実験の設計や実施がいかに科学的か、と言うことが重要。統計の世界は母数を気にするが、科学の世界では、母数が10や20でも良い場合もある。
  • (副部会長)・日程は9月8?10日、企画セッションの要望は9日で出しているので、その晩に部会の予定。





4. その他、最近の活動報告と提案、新たな知見

  • (部会長)・大阪で開催された日本感性工学会春期大会は同規模の学会に比して活況を呈した。しかし、活況を呈している割に企業の参加が少ないので、ビジネス関係の人に9月の学会の案内を行いたい。部会の貢献としてビジネスの情報ネットワーク網に多少のお金を掛けても乗せて行くべきではないかと思う。
  • ・情報処理学会などはソフト・ハード関わらず、大手企業が多く参加している。感性工学も非常にビジネスと関連深い学問であるけれど、知られていない為に参加者が少ない。
  • ・例えば茂木健一郎さんのベストセラー「化粧する脳」はカネボウの研究。茂木先生がコーディネートされているので脳科学と言う見え方になっているが、カネボウの感性工学チームが取り組んでいる研究。茂木さんが新書としてアウトプットするだけでブレイクする。なのに、感性工学はまだPRするのが下手。
  • ・最近参加した学会「日本ヒト脳機能マッピング学会」。脳のどこがどう使われているかという情報が満載の学会。アメリカで知り合った先生に面白い学会だと紹介を受け、参加した。

(学会で見聞したこと、所感など)

次回開催は、9月9日(水曜日)の予定

議事録作成者 嶋田正邦

写真 広報 桑野一哉

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